最強のヒドラー兵!

「レッツチェンジ!」
 天に向けて掲げられた渚さやかの手首で、チェンジブレスが眩い光りを放った。一瞬で彼女の身体はチェンジスーツに包まれ、その愛らしさ漂わせる顔に無骨なマスクが装着される。
 額に輝く伝説のマーメイド――人魚のエンブレムが輝き、手元で腕をクロスしてさやかはポーズを決めた。
「チェンジ・マーメイド!」
 燦然と輝く電撃戦隊の女戦士は、宇宙獣士ズーミンと相対していた。白いスーツに引かれた桃色のライン、シルバーのベルトはさやかの丸みを帯びたボディラインによく馴染み、その美しさをいっそうに引き立てていた。
「グハハハハハッ、チェンジマン、一人で俺様に勝負を挑むとはいい度胸だ」
 ズーミンは紫色の身体にあちこちに、黒と白のくるくる廻るプレートを身につけていて、見つめていると吸い込まれるような、目がちかちかするような姿をしていた。
「宇宙獣士、こんなところで何をしていたの?」
 チェンジマーメイドはチェンジソードを構えながらきいた。
「そんなこと言えるか! グハハハハッ!」
 高笑いを浮かべる宇宙獣士に顔をしかめて、さやかは剣を振り上げた。
「ヒドラー兵やれ!」
「とう!」
 ズーミンの左右から現れたヒドラー兵たちに向かって駆け出すチェンジマーメイド――さやかはソードと盾をうまく使いながら、敵を次々に倒していく。
「えい! やあ!」
 ヒドラー兵なんて何体かかってきてもわたしの敵じゃないわ――さやかは身体をくるりと回して、背後から迫るヒドラー兵に斬りかかった。その向こうにズーミンがいる。
「とう!」
 身体を大きく跳躍させて、チェンジマーメイドはズーミンの前に降り立つ。と、その横から一体のヒドラー兵が姿を現した。
「チェンジマーメイド、このヒドラー兵を倒せたらこのわたしが相手をしてやろうではないか!」
「望むところよ!」
 さやかは声を張り上げた。そのヒドラー兵は、他のと全く違うところが見えず、相変わらず隙だらけに見えた。身体に感じる熱を意識しながら、さやかは再びチェンジソードを振り上げた――こんなやつっ!
 剣先を振り下ろす先からヒドラー兵が急に姿を消したかと思うと、右側から姿を現した。
「なにっ――きゃっ!!」
 無遠慮に突き出される拳が横からマーメイドのマスクに命中する。空中に投げ出されてきりきりと回転――地面に落ちたとき、さやかは身体がたてる鈍い音をきいた。
「あああっ! ああああああっ!」
 身体を起こそうとして、地面に引きずり戻されるように倒れてしまう。
「脚がっ!」
 着地に失敗してひねった。ただ、それだけだった。さやかは息をしながら、痛みに顔をしかめた。
「どうした、チェンジマーメイド、たかが戦闘員ごときに!」
「ちょ、ちょっと油断しただけよ!」
 ズーミンの嘲笑に、さやかは声をあげて首を振った。そのヒドラー兵は、全然違うところがない。だけど、あの動きはぜんぜん見えなかった。チェンジマーメイドは、ソードを振り上げた。
「えっ」
 振り上げた手を掴んでいるのはヒドラー兵で、体格差があって、マーメイドの腕を持ち上げられてしまう。
「離して! ――あくっ!」
 腹部にめり込む拳の鈍い音――横隔膜が潰れて空気が口から漏れる。吐き気に喉がひくっと震えた。たった一発の拳、たった一発の打撃に、掴まれた手を離された時、チェンジマーメイドは身体を二つおりにして、後ろへ萎むようによろけた。
「あああああぁぁっ……!」
「ほら、どうした? 本当に油断しただけか? ふははは、電撃戦隊の戦士ともあろうものが情けないっ」
 さやかはソードを落としてしまい、腹部を抑えて仰向けに倒れてしまう。ズーミンと、その横に立つヒドラー兵が見える。その青い背筋を伸ばして立つ姿はいかにも不気味で、彼女はその時、そのヒドラー兵がただのヒドラー兵ではないことに気がついた。
「つ、強いっ。動きがまったく見えなかったわっ」
「ふん、自らの修練不足を棚にあげるか。ヒドラー兵、チェンジマーメイドをもっと痛めつけるのだっ」
 不気味なヒドラー兵に、命令を下す宇宙獣士――さやかはそれでも立ち上がらざる得なかった。首を振った。渚さやかはチェンジマーメイドで、電撃戦隊の一員だった。そんな敵の戦闘員なんかに――
「負けてたまるものですか!――とう!」
 チェンジマーメイドはヒドラー兵の攻撃を跳躍してかわすと、上空で身体を大きくひねらせた。その様は水を自由自在に泳ぐ人魚そのもので――さやかは頂点に達すると体中のアースフォースのパワーをオーラのように立ち上らせながら、急降下へと移った。
「マーメイドアタック!」
 ヒドラー兵に向かって、チェンジマーメイドは一気に飛びかかった。アースフォースが身体を軽くして、火の玉となって、ヒドラー兵に命中すると、さっと地面に降り立った。
「これでっ――そんな! まさか!」
 振り返った彼女は素っ頓狂な声をあげた。チェンジマーメイドの必殺技を受けたはずなのに――そこにはピンピンしているヒドラー兵の姿があって、ゴリラのように腕を振り上げていた。
「どうしたっ? チェンジマーメイド。全然きいていないではないかっ!」
 ズーミンの勝ち誇ったような声、さやかは思わず身体の力が抜けるのを感じた。アースフォースを一気に叩きつける攻撃は、彼女の力を著しく消耗させる。だけど、効いていない――さやかは顔を歪めた。
「だ、だったら、倒すまでよ!」
 焦りを滲ませて、振り上げたのは拳で――さやかは一直線にヒドラー兵へと向かっていった。一発目の拳は避けられる。
「えいっ!」
 背後へ周ろうとするヒドラー兵を素早い身のこなしで追いかけ、その背中へ回し蹴りを決める。
「とう!」
 よろけるヒドラー兵の内懐に入り込むとその腹部に拳を送り込んだ。これで――さやかは身体を翻そうとすると、その背後に影がよぎった。
「きゃああぁっ!!」
 影が彼女を突き飛ばす。そのまま目の前に倒れてしまうさやか――土埃がわきたち、ゴーグルの前を黄土色に染めていた。
「なんっ」
 うつぶせになったマーメイドに、何者かが馬乗りになってきて体重がかかる。腕をついて振り返ったさやかの目には、あのヒドラー兵の姿があって――
「なんで! どうして!?」
 彼女の声に答える言葉はなかった。戦闘員は攻撃がまったくきいていないかのように、さやかのマスクを掴むと、もう片方の手から拳を繰り出してきた。
「きゃあっっっっあああああああああっ!!」
 さやかの悲鳴が響く。弱いハズの戦闘員に好き勝手にされて攻撃すらきいていない。その青い拳が彼女のマスクに命中したとき、さやかの顔を包むマスクはメリッという鋭い音をたてた。フレームのたわむメリメリっという音が続く。
「どうだいつも容易くやられているヒドラー兵にいいように弄ばれる? チェンジマーメイド?」
「ズーミン!」
 彼女のあげる声はまるで悲鳴のようになってしまう。ヒドラー兵ごしにさやかは宇宙獣士の姿を見た。
「我々ゴズマがいつまでも手をこまねいているとでも思ったか。お前らチェンジマンの戦闘能力をこのヒドラー兵に覚え込ませ、強化したのだ。グハハハッ、チェンジマーメイド、お前らはこのヒドラー兵にはかなうまい!」
 高慢な声をききながら、さやかはマスクが破損していることに気づいた。蜘蛛の巣状のヒビが走り、さやかと敵の間に広がっている。こっちはマーメイドアタックがきかなかったのに、向こうは一発でマスクを壊すことが出来る――
「そんなことできたって、わたしたちチェンジマンは――」
「そうだ、いずれチェンジマンとて、このヒドラー兵に勝る力を手に入れる時が来るだろう。だからこそ、渚さやか、電撃戦隊でもっとも頭脳明晰なお前をまず破壊させてもらう」
 声は冷徹に響き渡る。敵は本気でチェンジマンを狙ってきた。さやかは身体を動かそうとしたのに、またがって腰を落としたヒドラー兵はびくともしなかった。
「そんなことさせないわ!!」
「――現にやっているわ、渚さやか」
 声は更に遠くから響いてきた。
「アハメスッ!?」
 さやかはその姿を認めた。女王アハメスは、優越感をむき出しにした笑いを浮かべて、高みからチェンジマーメイドに視線を投げかけてきていた。
「渚さやか、頭脳明晰なお前が敗れれば、このヒドラー兵を倒す作戦をたてられるものなどいなくなるわ」
「卑怯者?!」
「これは面白い」ズーミンが声をあげた。「邪魔なものを排除することが卑怯だというなら、お前らチェンジマンこそ、卑怯者の極みだっ!」
 ヒドラー兵は改めて、マーメイドのマスクに腕を伸ばしてきた。ヒビが走っていた。外装を固定するフレームも歪んでいる。さやかの目の前で、その敵は拳を握っている。振り上げられ、迫ってくる拳を認めた時、さやかは思わず瞼を閉じて身をすくませてしまった。
「きゃあああああああぁっ!!!」
 彼女の悲鳴がいったいに広がっていく。ころんころんと乾いた音をたてて転がっていくのはチェンジマーメイドのマスクで、それはどこか打ち首になった人間を連想させた。
「そんなっ……!?」
 たった数度の攻撃でチェンジスーツを破壊するほどのパワーをたたきつけられて、さやかは思わずショックで涙を流した。口元が歪む――宇宙獣士にすら致命傷を与えられる攻撃を受けて無傷で――そのとき、彼女の顔に水がかけられた。その水は鼻をつく強い臭いを持っていて、目にかかる水は濁った色で――スーツにたらたらと流れ落ちていく。
「はっっ……いやっ!!」
 その水はヒドラー兵の男根から流れ出ていて、黄色く濁っていた。手を伸ばして遮ろうとするのに、その手首を遮られ、腰を持ち上げたヒドラー兵は黄金水をかけながら、さやかに男根を近づけていく。
「電撃戦隊の気高い女戦士が、戦闘員に小便をかけられてどんな気分だ!」
 ズーミンの声が響く。そこにはぶくぶくにゆがんだヒドラー兵の下腹部があり、そこから盛り上がった巨大なペニスはジュースの瓶ほどもあり、ちかづきにかけてびくびくに膨らんでいった。
「んくっっ!! んんんふくくぅぅっ!!」
 口の中に入り込んだ小水を吐き出そうと口を開いた拍子に顎を掴まれ、指が頬肉に食い込んで、さやかは口を開けられてしまう。
「んんんくぐくくっっ! ぐぐぐっぐぐっ!!」
 目の前にある男根は猛々しく屹立して、その先端を醜くふくらませていった。ヒドラー兵は前置きなきに、涙と小水で濡れて光るさやかの唇に自らの男根を滑りこませて、そのまま銜えさせた。
「チェンジマーメイド、お前はその無様な姿をアハメス様に見ていただける栄誉に恵まれたのだ。ヒドラー兵の慰みものとなる無様な電撃戦隊の末路をなぁっ……」
 ズーミンの声にさやかは喉を鳴らした。
「んんぐくぐぐっ! んんんんんんっ! んん!」
 首を振っても、吐き出そうとしても、差し込まれた男根は抜けようとしない。口から鼻へと逆流して入り込むのは雄の臭いで、さやかにはそれがその戦闘員のものだって解った。ズーミンの視線があって、アハメスの視線がある。
「ぐうううっ! ううんんんんっ!!」
 身体が熱くなるっ――感じてなんかいないのに、涙を流して小水とヒドラー兵の亀頭から漏れる我慢汁の臭いに呼吸すら満足にできずに喉を詰まらせ喘ぎながら、さやかは顔を歪ませた。
「ふんんんんっ! ぐぐっぐぐぐっ」
 喉仏にあたるヒドラー兵の亀頭、ねじ込まれていく男根はゆっくり回転しながら、さやかを冒していく。喉を塞がれ満足に喋らずに、さやかは鼻を鳴らした。彼女の表情はいつもの愛らしいものとは似ても似つかないほど歪み崩れていた。
「あああぁああっふぅっ!!!」
 どばっと口の中で音がしたかと思うと、上の歯の裏側に熱く煮えたぎったどろっとした液体が流し込まれていくのが解った。
「いいざまだ。チェンジマーメイド……」
 絶頂に達したヒドラー兵が、男根を引っこ抜く。さっと差し伸べられた腕に顎を抑えられ、上を向かされるさやか――
「あうっ……ああっ……」
 どくどくっと音をたてるかのように、ヒドラー兵の男根は息づきながら、さやかの顔に精液を塗りつけかけていく。
「吐き出すことは許されない……」
 さやかは涙を流す。マスクを破壊されて、ヒドラー兵のものを咥えさせられて、口の中にだされた。
「んぐっ……」
 言われたとおり、さやかはその苦い液を飲み干した。喉を下る焼けるような感覚――顎から手を離された時、彼女は自分の身体がチェンジスーツをまとったままであることに今更にも意識して、きゅっと手を引き寄せ、脚を引き寄せた。
「いやあああっ!!」
 ヒドラー兵、ズーミン、そしてアハメスが彼女を囲んでいる。その視線が全て彼女に与えられている。さやかはチェンジマーメイドの格好のまま犯された。それは、プライドの高く悪を憎む彼女にとって許されざることだった。
「ズーミン、ヒドラー兵よ。渚さやかを連れて帰るのだ!」
 アハメスはその美貌を歪ませて声をあげた。さやかは諦めたくはなかった。だけど、その声は巨大な鍵がかけられる音に似ていて、ニ体の敵に左右を挟まれて立ち上がらされる彼女から抵抗する意欲を奪うのに充分だった。


inserted by FC2 system