ドキドキ!謎の植物園(1)
 公園や緑地の植物が相次いで枯れるという事件が発生、その背後にネジレジアの影を見たINETは調査を開始する。各地のセンサーの値を調べると、事件発生直後の酸素の値が異常に高まっていることが判明したのだ。
「つまりだ」久保田博士は続けた。「大量に噴出された酸素が活性酸素となる。この活性酸素は人体にとっても環境にとっても毒物だ。ネジレジアが何故そのようなことをしているかは不明だが、おそらくは……」
「まさか植物の絶滅を狙っているんでしょうか!?」耕一郎が声を上げた。
「そうかもしれん」
「でも、ならなんで、森とか林とかねらわないんですか」瞬が呟く。
「そこなんだよ」
「これはただの準備段階とか……」みくは顎に人差し指をあてて、目を泳がせていた。
「それでだ、INETではこれまでの出現パターンから次に狙われる場所を予想した。東西植物園だ。みんな、東西植物園に行って、異変があれば報告して欲しい」
「オーケー、おっさん、特上カルビで引き受けるぜ」
「健太!」千里は健太の頭を叩くと、ディスプレイに向き直った。「わかりました、博士」
「うむ、頼む。すまないな」

 東西植物園は東京最大の植物園で北極の冷凍庫状態で生き延びる植物から、サウナ状態のジャングル地帯で根をはる植物まで約五千種が栽培されていた。五人は植物園中央の大ドーム内部に架けた橋を歩きながら、天に向かって生い茂る植物を見ていた。
「いいところね」
 木々の間をそよぐ風が肩まであるストレートを撫でている。その陽も優しげだった。いつも苦虫を噛み潰している耕一郎も顔が和んでいた。みくも楽しげで、瞬もまんざらではない。
「でも、こんなんじゃ、腹の足しにはなんないぜ!」
 ポケットに手を突っ込んだ健太は橋の下を覗き込んだ。
「健太は自然を愛する心が必要かな」
「そういう、みくだって、そろそろケーキを食べに行かなきゃーだろ」
「もう健太!」
「こらやめろ」
「向こうにここで取れる果物で作るドリンクバーがある、二人とも」
 瞬が看板を指した。健太とみくは一瞬で顔色を変えた。
「えっ!本当!」
「マジかよ!?」
「でも、そういえば、ちょっと喉も渇いたな」
「あれれ〜耕一郎まで食べ物??」いじわるそうな千里が彼を覗き込む。「腹が減っては戦はできん、というしな。まあ、少しぐらいならいいだろう」
「そうこなくっちゃ!」
 五人はそのドリンクバーのスタンドへ向かった。ドーム中央で分岐した場所を通りかかり、千里は不思議な違和感を見た。その場所は陽光が遮られて、薄暗く、新緑の二メートルほどもある葉が通路にもたげていた。その先は闇に包まれていた。
「どうした、千里?」
「ん? ……ううん、ちょっと、見てきていい」
「ああ、先にいってるからな」
「うん」

 『ネペンシス スピシーズ ビックツイスト』
 そう書いてある看板の下を過ぎると、風が急に弱まってきた。湿気が充ちていた。天井を見ると、ハエが編隊を組んで散開していた。鳥肌が休息に全身を走った。正義の消えた場所の臭い――ただの女子高生だった千里にも女戦士としての勘が芽生えつつあった。
 千里はうなじに指を当てた。不安を感じたからだ。こんな気持ちの悪いところさっさと出ようと思っても、何か予感がして、それは身体を引き付けさせた。
 それは解説板も何もなかった。ヒョウタンやヘチマのような形のものがぶら下がっていた。見たことも無い植物だ。突然、アラームが空間に鳴り響く。驚いてデジタイザーを見た。
 酸素濃度上昇の警告音だった。
「ここだわ……」
 敵の侵攻が秘密裏に始まっていることを発見して、うなじが冷たくなった。奥に進むと、ローファーに違和感がする。軟らかいもの――
「!? きゃあっ!」
 ハエや蚊や昆虫が大量に死んでいた。その体液が艶かしく光っている。千里は釘付けになった。ゆっくり一歩後に戻って、顔をあげると、そこに帽子が落ちていた。飼育員の帽子だ。
 猛烈に沸き起こる吐き気をこらえながら進んで、帽子を取った。血がわずかに落ちている。鳥肌が立って、薄ら寒い。冷や汗が手に滲んでいた。
 その向こうには薄光りをするヒョウタンのようなものが三つあった。鬱血したような赤と緑だった。他のものとそれが大きく違うのは、それが人の身長ほどもあったことだ。その左から――人間の手が顔を出していた。
「ネジレジア……」
 背後に気配がする。千里はゆっくり振り返った。外の光の前に立ちはだかった、いびつな形がこちらに鎌のような両腕を振りかざした。とっさに目の前で腕をクロスさせると、デジタイザーを起動させた。
「インストール!」
 腕に火花が上がり、じわりを熱い。
「メガレンジャー!」
「おあいにく様!」
 間を取りながら構えた。全身緑の植物をモチーフにしたようなネジレ獣だった。口がペリカンのようなあのヒョウタンのそれで、腕は鎌になっていて、途中からムチのように伸びている。足は太い幹のようだ。
「俺様はカズラネジレ、さてはやられに来たな」
「こんな気持ち悪いもの育ててどうしようっていうの!?」
「どうして、俺たちの作戦がわかった!」
「あんたたちの作戦なんて、INETとメガレンジャーの前じゃバレバレよ!」
「そうだったのか、まあいい。どうせ、お前らが来ることなど予想していたからな」
 そういいながら、カズラネジレは動揺しているようだ。バイザーの裏で鋭い眼光を露にして、メガイエローはホルスターを抜く。
「メガスナイパー!」
「グハアァ!」
 腕が爆発して落ちる。残りを庇いながら、カズラネジレは後退し始めた。
「だが、植物は生え変わる」
「うそ!?」目の前で手から茎が伸びると、カズラネジレの腕は再生されてしまう。「それじゃあ、倒しようが無い……」
「その通りだ」
 (そうだ、みんなに通信!)デジタイザーを口元に持ってくる。
「させるかぁ!」
「きゃっ!」
 カズラネジレの異常に身軽な身のこなしに、メガイエローは身をかがめる。バイザーを虫の屍骸がかすめて、異様な臭いに顔をしかめた。
「どうした、怖気づいたか? 仲間と一緒じゃなきゃ戦えないもんな」
 小ばかにした口調に、千里は背筋を伸ばして相手を睨みつけた。
「誰があんたなんか! 私一人で十分よ! とう!」
 飛び上がると、得意のキックを頭に浴びせた。勢いで回転すると、相手の背後から手刀をあてる。腰を落とすと、足をすくった。
「ウワッ!」
「隙だらけよ!」
 メガスリングを構えたメガイエローは銃口をあてて、その雰囲気に気づいた……周りの植物が殺意をむき出しにしている。植物に何が出来るわけでもない。だけど、このネジレ獣を倒してしまえば始末が面倒になる。
「こいつらはなんなの」
「おっ、よくぞ聞いてくれた」
 銃口を振り返り、カズラネジレはメガイエローを見た。全くそれは自然な動きで、メガスリングを下げさせた。
「こう使う」
「しまった!」
 カズラネジレの左腕が一瞬でメガイエローの二の腕を巻きつくと、腕が切れるような衝撃でメガスリングが落ちてしまった。足元の虫の海を二つの触手がこちらへ向かってくる。とっさに、左腕を重心に空中へ飛び出す。
「きゃぁっぁ!」カズラネジレの頭上で腕が変な方向へ曲がる。歪む。「ブレードアーム!」
 触手から花開くように解放され、カズラネジレと間合いを取りながら出口の側に立つ。汗が目に入って滲む、けど拭えない。啖呵は切ったけど、コイツは私一人の手におえない――冷静に頭を回転させながら、千里は左右から向かってくる触手に両手のブレードアームを輝かせた。
「ええい!――」
 真っ二つに割れた触手は溶液を撒き散らしながら、地面へ落ちると、屍骸の上でのた打ち回っていた。
「なかなかやるな」
「当然よ!」
「その生意気な口もいつまで持つかな」
 落ち着いた声に千里は恐怖を覚えたが、怯えてなどいられなかった。バイザーは視界を制限するのに、どこから触手が向かってくるのか解らず、うかつにも動けない。ブレードアームの状態のまま、左上、右下、下、左――四本が地面に落ちた。
 メガイエローの裏技は強力ではあったが、千里のエネルギーをも消費する。それは微々たるものだったが、今日はやけに息が上がった。胸が呼吸を始めると、自分でもその鼓動の早さに戸惑いを受けた。
「まだ、来る気?」
「メガイエローめ、小癪な」
「そっちがこないなら、私が行くわよ!」
 ブレードアームを止め、水平にカズラネジレに飛び掛る。そのとき、急激に頭が曇った。
「グハッ!」
 首に手刀をあて、円盤のように回転して、蹴りで倒す。その巨体が地面へ向かうが、メガイエローも滑るように着地、無意識に手を胸にあてていた。喉に違和感があり、頭がちょっとだけ白くて針で刺したような痛みがする。
「どうやら、効果が現われたようだな」
「……効果?」
「そうだ。ここにあるネジレ植物は通常の何倍もの酸素を生み出す。酸素は人間が生きるために必要だが、過剰に存在すると、毒物にもなる」
「!!」
「そのとおりだ」カズラネジレの影からギレールがその目を輝かせていた。
「ギ、ギレール!?」
「このカズラネジレは東京中にこのネジレ植物の種を蒔いた。やがて発芽し、貴様らが大量に吐き出している二酸化炭素を吸収して、貴様らが生きるのに必要な酸素を排出する。やがて酸素濃度が高まる。
 フハハッハ、するとどうだ。空気中の大量の酸素は貴様らの身体や文明を酸化させ、人類は自滅だ」
「だから、東京をターゲットに…」
 眩暈が意識を遮ろうとしたが、千里は舌を噛んで耐えた。
「もし森や林をネジレ植物に変えれば、山火事が起きて、ネジレ植物自身も失われてしまう。だが、都市部はコンクリートで覆われ、緑が少ない。誰もこの植物のせいだとは思うまい。万が一、燃えても、代わりはいくらでもある」
「でも、きいたわよ――あんたの悪巧み!」
「じゃじゃ馬女はもう二度とここから出ることは出来ない。だから、貴様に説明してやったのだ」
「メガスーツは常にメガシップとつながってるのよ! 情報は筒抜けだわ!」
 半分は本当で、嘘だった。通信はオンラインにしないと繋がらないが、そんな暇はなかった。オンラインに出来れば、一発送信で解決するのに……だが、体が悲鳴を上げ始めていた。
「ならば、INETは東京中の植物を抜いてみることだな。カズラネジレ、この女を血祭りにあげるのだ」
「了解しました、ギレール様。メガイエロー! オキシジェン・アタックだ!」
「ああッ!」
 白い気体がカズラネジレから噴出すのと、触手だらけの壁――幹?――にぶつかるのは瞬きするほどの間だった。右上から触手が鎌首をもたげていた。遮ろうとすると、腕が動かない。腕が既に触手に! 形のいい腿に触手が食い込み、くびれた腹部をしっかり固定した。メガイエローはその場に立ったまま、ロックされてしまった。。。
「ブレードアームッ!」怯えるより前に技を起動した。触手が切れる。新たな触手が襲う。切る、襲う――明らかに動揺したが、既に遅かった。「――――!」
「いつまで、持つかな。この触手は無尽蔵だ」
 やめれば負ける。焦りに汗腺がほとばしった。立ったままで固定され、触手は目にも留まらぬスピードで襲ってくる。その風を切る音が、生ぬるい空気に波動となって伝わってくる。その一つがまっすぐに、向かってくる。目標は腕ではなく、胸だ!
「くっ!!」
 青白い腕が触手を真っ二つにして、粘液を撒き散らしながら、胸へ向かう一撃を掴んだ。ものすごい力に震えた。触手は発光の中で瞬く間にペースト状に変化するが、どこから来ているのか、終わりが無い。
「くうっ!」
「無駄だ、メガイエロー!」
 ギレールに声を裏返らせて叫んだ。
「負けるわけには行かないのよ!!」
 腕に四方から何本もの触手が吸い込まれて、ペースト状に変わっていく。下からタケノコのように屍骸を割って生えてきたものに気づいたのは、一秒遅かった。
「はああぁ!」
 ボディーラインを這って、首筋からマスクとスーツの付け根部分にヒットしたアッパーカットはマスクの中の頭を猛烈な勢いで揺さぶった。人間の思考がストップし、メガスーツのコンピューターが入力待ちに一瞬切り替わる。ブレードアームは意識を集中しなくては無理だった。
「ああああっ!」
 腕を持ち上げて、頭上にぐるぐる巻きにさせた触手が天井や壁から何本も伸びていた。胸に刺さった2本の触手がその小高い丘を前にして、繊毛をむき出しにして襲い掛かった。「や、やめろぉぉぉ……!」
 マスクの中で千里は顔を真っ赤にした。スーツの上からでも女の子のデリケートな部分を触れられれば、少しだけであっても理性を失う。しかも事態は緊迫している。こいつらは私を犯そうとしている。冷や水を頭にかけられたようなショックと共に、我に返ると、もうどうにも動けなくなっていた。
「ブ、ブレード…ッッ!」
 首筋を撫でた触覚は首を正確に押さえ込む。喉から声が出ない。酸素中毒で意識を悪くしていたところに、首を絞められて、不思議と冷静だったが、我を失いそうだった。
「んぐうううぅ…ぁ……」
 ネジレジアの植物に犯されたりなどしない。戦士としてのプライドと女としての尊厳が切り刻まれるのには、時間は掛からない。
「うう!」
 腋から括れを触手が愛撫した。その動きはものすごく早いのに、人間の雌のツボを性格に抑えた。そのたびに千里はその動きから逃げようとしたが、身体はわずかにくねくねと動くだけで、殺到する触手の前にはあまりに無力だ。
「―ひ――!」
 性感帯――そんな場所が存在するなんて、今まで知らなかった――をスーツの上から愛撫されて、甲高い声を上げたことを、千里は信じられなかった。
「どうやらヒットしたらしいな」
 カズラネジレにギレールが低い声で笑う。別の何十本もの繊毛のついた触手が城ヶ崎千里の括れのやや上の部分に左右からまとわりついた。意識が消えた。次には頭の中で何かが音を立てて崩れた。
「――ああああああぁ!」
 メガスーツの表面に眼に見えないほどの大きさと密集度で設置されたパッシブ・フィードバックセンサーは、本来全身をスーツを装着することよる五感の低下を防ぐために機能している。手でものを触れば、熱いとも冷たいとも感じられ、毒ガスが漂っていれば、臭いと感じる。
「お前も女なんだよ、ハッハ!」
 何十本もの触手やその先端から伸びる繊毛はまるで、城ヶ崎千里の素肌に触れているように、身体を嘗め回して、急激な処理速度の上昇が彼女の身体を融解させた。
「…………ゥッッ」
 唇や舌を噛んで、涙を流しながら、千里は無理やりされるのを直視しなかった。スーツの上から敵に犯されていても、スーツは決して破られることはない。スーツは絶対城ヶ崎千里の安全を守ってくれる。
「くうぐうううぅ」
「さっきまでの負けん気はどうした? 泣いているのか? 正義のスーパーヒロインが情けないな」
 カズラネジレは迫ると、腕で空気を切って、マスクを屠った。火花が派手に散り、生気を失ったようにうつむいてしまった。苦しさと悔しさで目の前が見えなかった。
「私はッ―負けないッ―」
「その強がりがいつまで続くかな?」ギレールはニヤけていた。
 カズラネジレがペースト滓だらけのパレオを掴んで捲し上げた。メガスーツに覆われたメガイエローの股間は驚くほど綺麗で、レモンをビニールでコーティングしたみたいだった。
「せいぜい頑張ることだな」
 ギレールのハンドサインに、全身を愛撫していた触手が動きを止めた。繊毛の先から粘液が滴り、長い糸を引いていた。
「ううっ、うううっっっ――勝手になんか」
 短い嗚咽のあとで、長いのが続いた。多くの少女がそうであるように、レイプをされた経験など無い。愛撫が突然止んで、白濁した意識を何とか取り戻そうとしていた。精悍なデザインのマスクがゆっくり頭を持ち上げて、光り輝くギレールの残酷な眼を見た。
「ギレール……」
「お名前をお呼びいただきありがたく存じます」
 馬鹿にしてその敵幹部は唾を吐いた。千里は何も反応しなかった。そうして、焦点の定まらない目線を下に送る――急に焦点がクロスして鮮明な画がでた。それはペニスが、相手の表面の鰓を突き破って、隆々とそびえ立っていることだった。
「次は私の名前を叫べ」
 ゆっくりとハンドサインが下ろされ、繊毛がドリルのように煽動して、括れのやや上を刺激した。千里にははっきりと解った。身体中がふやけてずしりと重くなった。
 反り返るほど大きくなったギレールの男根は素早く股間に収まった。鮮やか過ぎて何が起こったのか解らないほどだった。信じられないことに、千里は濡れていた。
「あ……」
 怪人に快感なんて覚えていなかった。だが、恐るべき正確さで未発達な身体を押さえつけられ、頭というより身体が求めて、隙間から蜜が染みた。
「さあ叫ぶんだ」
「………いや…そんなこと……」
 メガイエローの素股にかけて、男根が左右に揺らしていた。スーツとむき出しの股間が擦りあって、鬱蒼とした茂みに浸透した蜜が身体の中を音となって伝わっていた。音に頬を染め、下から上に確かに感じられる敵幹部に素股にして、脳が攪拌されているみたいだった。
「目が回る………身体が…だめ」
 メガスーツの表面にくっきりとした乳輪が浮かび上がっていた。
「に……あ、熱い」
「フハハハハ!」全身が恥ずかしい音を立てていた。「貴様は淫乱だ、メガイエロー。私が死ぬまで貴様に教えてやる」
 まだ千里は本当に犯されてもいないのだ。ただ素股をされているだけなのだ。なのに、身体はありえないほどに暴れている。全身が針で刺されていて、時間が過ぎている。異常な官能に信じられない思いで揺れていた。
「ああああん!」
 だけど、まだ信じていた。負けたわけじゃない。仲間はまだいるし、生きている。生きている限り、例え悪の手に落ちようともチャンスがある。千里は信じていた。
「ギレールッ!! ――――――!!!」
 あらん限りの大声にギレールが爆発したような笑いをし、城ヶ崎千里はメガスーツに包まれた女戦士と女子高生の身体が、凍りついたように動けなくなり、全くの刹那だけ失神して、全身の筋肉が解けるのを確認して、よだれが口元から止まらなくなっていた。
 メガスーツを着たまま、イかされた。悔しさと怒りが胸を詰まらせた。女戦士なのに、みっともなく敵の幹部に落とされてしまった。その手はずは驚くほど簡単だった。
「あああああぁぁ――」
 身体を奪われたわけじゃないのに――
「お前は淫乱なのだ。解るか? メガイエロー」
「ち、違うわ……」
「お前はオナニーしただけでイってしまうような、淫乱なんだよ」ギレールは吐き捨てた。「その証拠にメガスーツは傷ついていない」
 そういいながら、ギレールは遠くなった。ギレールではなく、千里のほうが触手によって引っ張られているのだ。
「え…」
「死ぬまで悶えることが出来る。うれしいだろう。一生歓喜に咽び泣く事が出来るぞ。感謝しろ」
 触手は優しかった。メガイエローを立ったまま固定しなおすと、身体の要所にスタンバイされた触手が巻きついたり押さえつけられたりした。
「なに…」
 千里は目を見開いてそれを見つめていた。
「ネジレ植物の肥料として悶えろ」
 スーツは確かに犯されていなかった。触手には繊毛がついたものと、先端が肥大化したものがあった。適材適所にそれらが配置されると、瞬きのあと一気に動き始めた。
 金魚みたいに口がパクパクなっていた。千里はイかされることに悔しさも怒りも覚えなかった。イかされるのが終らないうちに、次のが来て、次のもつまっていた。何重にも絡んだ糸が千里を縛り付けて、身体の中から大事なものを搾り取って行った。レモン色のボディーは左右に激しく震えながら、緑の蔦の中へ埋もれていった。

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