返して! 奪われた身体
   
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 ギレールの力にけ落とされそうだ。千里は薄暗いバイザーの底で目を細めた。全身にメガイエローの力がみなぎっている。でも、ギレールの力は圧倒的で、溢れ出る光の渦でそれがわかる。
「元の場所に、早く私を帰しなさい!」
「そうはいかないな、メガイエロー」
 ギレールは剣を構えた。彼女の方向に走ってきて、その足音はまるで象のようだ。だけど、ダンプカーの前に飛び出してしまった三歳児のように、千里は足がすくんだ。逃げよう、思ったときには遅かった。
「たあああああああああああああああああああああああ!」
 風を切る音。なま暖かい風が体に寒気を覚えさせ、バイザーから目が空をとらえた。どんよりとした空だった。千里はこれまでのことを考えた。そのあいだだけ、ギレールの剣はとてもゆっくりに見えた。体中隙だらけで、攻撃できそうだった。でも、千里には何もできなかった。
「きゃあああああああああ!!」
 悲鳴を聞いた。甲高い城が崎千里の声。冷気が裂けて、汗だらけの体に冷たいものが流れ込んで刹那、赤くなった鉄板が押し当てられたようにただれた。アクリルイエローの体は数歩戻って折れた。
「!」悲鳴が途切れた。ダメージ七十パーセントの表示。損害制御モードは三十七秒復旧にかかると表してる。なんで? ギレールの力は強い。メガスーツは薄い繊維だから破れることはよくある。破れることで、ダメージを逃すのだけど、ふつうは五秒以内に直る。五秒だって、敵からの攻撃から逃げるのはむずかしい。
「ううう・・・・・・」
 胸に手をあてた。ざっくりが口を開いている。灰色に血管のような黄色いラインの入ったインナースーツが顔を見せている。メガイエローがギレールを睨んだ。第二攻撃をしてこない。すぐにメガスナイパーをホルスターから抜いた。あと二十一秒。
「メガイエロー、だいぶ辛そうだな」哀れむような声。
「これくらいなんでもないわよ!」
「強がりはいい加減にしろ」
 十六秒。
「すぐ楽にしてやる」
 胸がむずむずしていた。ナノマシンがスーツを超高速で修復していた。
「あああ!」
 あと八秒。ギレールの手先から、ひだ状の触手のようなものが延びた。それはまっすぐ、メガイエローのもうほとんど閉じていた「口」に刺さった。
「あぅ・・・・・・」
 メガスナイパーが地面に落ちる。ハンマーで頭を殴られたような感覚がした。体が重い・・・・・・急に。胸に刺さった触手はインナースーツに結びついた。黄色いラインはメガイエローのシステム上の血管みたいなもので、全身が痺れてようやく、バイザーのディスプレイがWARRINGと表示した。
「ちょ、ちょっと、なにしてるの」
 千里は半身崩して、肘をついた。もうほとんど直った。だけど、そのギレールの触手が突き刺さったままで、片手で触手をつかんだ。力の感覚がしなかった。ちょうど胸の谷間にしっかりと刺さっていた。抜けない。あぁ。
「メガイエロー、私はメガレンジャーが憎い。殺さなければならない。それがネジレジアに身を捧げた私の義務だ」
「だ、から、私を殺す気なの?」
「いや」ギレールは手の力を込めた。
「はぐっぅ!」メガイエローの体は宙を浮かび上がると、ギレールを中心に円を描き、壁が見えて激痛と地面に落ちた。千里は目を何度もぱちくりさせた。触手はしっかりメガイエローの内部とつながっていた。
「メガイエロー、殺さないでやる」
「殺さないで、利用してやる」
「いやあああああ」
 体の真ん中から熱が溢れて、行き先のいなくなった熱は光になって爆発した。千里は目の裏に虹色のベールを見た。激痛はどこか遠かった。体の力が入らない。火照っていて、焦点がしっかり合わない。
 触手に目を当てた。コレハ・・・・・・。手が力を失って、触手から地面へ落ちた。大きく息をついた。そうしないといけなかった。そうしないと、肺の中に空気がはいらなくなるんだった。
 エネルギーが抜けていく? いやそれだけじゃない。なんか違う。え、でも、そう、ここはどこ? ん・・・・・・そうだ。ん・・・・・・エネルギー? ああああ。
「はぁはぁはぁはぁ・・・・・・」
 バイザーの裏側で千里の頬がピンク色に染まっていた。あざはメガイエローが消していた。WARRING表示が消え、今はNORMALとでていた。千里は意識が遠くなった。目の焦点がいままで以上に合わなくなった。
 どくん、どっくん、心臓と血管の流れる音がしていた。千里は体を動かそうとしたけど、どうもだめらしかった。目でギレールを探そうとしたけど見つからなかった。どこにいるの。あれ。水の流れる音がしていた。水なんてどこにもないはず。目の前が真っ赤になっていた。ここはどこ。ああ、私は城が崎千里、メガイエロー。それだけをはっきりと覚えていた。
 体の感覚が完全に消えていた。

「うぅぅあぁん、あぁん・・・・・・」
 体は痺れていない。だけど、十分に重かった。自分の城が崎千里の声がした。それと、大きな獣の声、体中に獣の息を感じる。
 自分は喘いでいる。なぜだろう。全身にピカッと感覚が走った。痺れていた。生々しい感覚がよみがえってきた。焦点の合わない目が光を結び、初めて見たものがあった。
「ううぉぉ」
「ああああぁん!」
 それは喘いでいるメガイエローの姿だった。精悍なマスクがうわずって、触手はまだ刺さった胸が大きく膨らんで、乳頭がそそりたったものが浮かび上がっていた。その両手は彼女の目のとらえた下半身へとのびていた。千里の意識の持つ体の股間からそそり立つペニスが、めくれ上がったメガイエローのスカートの中のくぼみに埋もれていた。
「なに! これ・・・・・・ウワア!」
 唸った男の声が口から出た。メガイエローは千里の意識ある体にもたれかかってきた。そのグローブが体を撫でる。体はごつごつしていた。千里は目を白黒させながら、声を失っていた。やがて、彼女の視界いっぱいにメガイエローのマスクが広がった。真っ黒のバイザーが透けていた。その中ではりりしい城が崎千里の瞳が睨んでいた。
「どうした?」千里の声。でも、私の言葉じゃない。
「私は、!」声。ギレールの声。
「そうだ。メガイエロー、我が触手を通じてメガイエローの肉体はこのギレールのものに、私のものだったギレールの体はメガイエローのものになったのだ!」
「・・・・・・」千里は自分の瞳を見つめた。何も言葉が出ない。「何をする気・・・・・・」
「メガレンジャーを抹殺する気だ」
「私がみんなに伝えるわ」
「そんなことできるわけなかろう。貴様はネジレジアの最高幹部ギレールだ。そして」城が崎千里の目が瞬きした。「私はメガイエロー。メガレンジャーの一員よ! お前がほかのメガレンジャーなら、どっちを信じる」
「それ以前に。貴様のこの空間から逃す気はない」平手打ち。千里はメガイエローの力をまともに受けて声をあげた。「私もメガレンジャーを抹殺した後に、元に戻る体がほしいからな。さあ、もうしばらく下準備をしようじゃないか」
 メガイエローの体が鈍く光った。千里の意識にものすごい衝撃がきた。
「うはっ」
「あああぁぁぁぁんん!」メガイエローの声でギレールの意識が唸っている。蜂がお尻を振って仲間に餌の場所を教えるみたいにメガスーツが動いている。
「ああぁぁん! はああああ! んんんんん!」
 メガイエローの声が空間に響いている。意外なくらい冷静にそれを見ていた。千里にとってものすごく残酷だった。メガイエローの力に押さえつけられて、千里はあっけにとられていて、何もできなかった。
 バイザーの中で城が崎千里の瞳が涙をよじっている。その肉体は今、ギレールの渦中にある。千里にだって自分の肉体がどうされているのかぐらいわかる。だけど、その状況があまりに生々しく、同時に現実離れしていたので、あっけにとられるしかなかった。
 めくられたスカートの中にあるヴァギナが開いたり閉じたりしている。メガスーツがその形になって、千里の意識のあるギレールの体のペニスとつながっている。
 男は興奮しないと立たないというのをきいたことがある。でも、千里の意識は妙なけだるい感じを覚える以外は、それといってなにも感じない。感覚が一方通行になっていた。痛みや快楽だろうもの、その他諸々ばかりが千里の意識に流れ込んでくる。それは何でもなく、大きな苦痛だった。そしてやがて、彼女にも頂点が訪れた。

 誘拐された千里を探して、みくは濃霧切り詰める闇の中、サイバースライダーに乗り、額の携帯電話のマークを輝かせて、メガスーツの発する信号を探し、人影を探していた。
「あっ」バイザー内地図に情報が表示された。みくはそれを軌道上のメガシップに送ろうとした。失敗した。地図には確かにメガイエローがそこにいると表示している。敵の罠かもと思ったけれど、みくはいま正気を失っていた。千里がギレールに誘拐されたのは、メガピンクがみんなの足を引っ張ったところが大きいし、千里は一番の親友だった。

 ギレールは空を見上げた。それは城が崎千里の肉体を略奪したギレールの魂だったから、その姿は誰にも見紛うものではなく、メガイエローだった。
 しかしその姿りりしい女戦士などには到底見えなかった。マスクは半壊し、悪意に満ちた邪悪な少女の顔がのぞき、下半身のスーツはボロボロで、純白ブーツは黒ずみ、ベルトははずれ、下半身の胸の谷間には未だにギレールの触手が突き刺さって、そこを中心に花びら型にスーツが裂けていた。ところがその元のギレールの肉体は既に幽閉されてしまい、姿はなかった。
 そしてなんといってもそのスカートの間には、激しい陵辱のあとが刻まれていた。皮膚は赤紫に変色し、血がくすんだ黄色のスーツとコントラストをつくっていた。千里の肉体は修復不能なほどの傷だった。もちろん、ギレールによるものだった。
 ピンク色の光が霧の間に一瞬見えると、ギレールは残虐な笑みを浮かべた。指が光り、それが城が崎千里の体にのめり込んだ。スーツの裏側から鮮血が飛び散った。紅潮していた頬に血が伝う。マスクをえぐると中の髪が切れて、空を舞い、残ったものは少しだけ燃えて、ちりちりになって解けて消えた。
 やがて、暴力は城が崎千里の肉体にとって耐え難いものとなり、彼女の意識がついえた。倒れたメガイエローの体をメガピンクが見つけるのは、すぐあとだった。

 ギレールは観察していた。メガイエローの体に事が行われる様子を。メガピンクに抱き抱えられ、メガイエローはINET指定の緊急病院に運び込まれた。手術が行われ、すべてが直された。マスクをはずしたメガピンクの顔がずっと近くに見えていた。
 すべて腐っている。ギレールは思った。人間界で行われている事の全てはネジレジアが十万年は前に発見し、九万九千九百九中九年前には破棄したものだ。世界はもっと歪んでいなくてはならない。
 そう、この私がネジレ次元を創造したように。
 何日かがあっという間にすぎた。ギレールはそのあいだにいろいろな事を学んだ。メガレンジャーの正体もついにつかんだ。奴らの家族も、INETの幹部全員の顔と名前も、その他諸々の機密か超機密に当たる情報をえた。しかし、城が崎千里の肉体は衰弱しており、一切の反応を起こす必要はなかった。もちろん城が崎千里がギレールであるという事が知られるはずもないし、疑うものもなかった。

 みくは傷を負っていた。千里が見つかってから二週間目の夜、敵が現れた。四人が出動した。強敵だった。ベイエリアは廃虚となり、メガシルバーの介入がなければ勝てやしなかった。
 四人はメガシルバーによって千里の入院している病院へと搬送され、その日は入院することになった。
 午前二時、みくは悪夢に目覚めた。今夜倒した敵が今度は彼女を圧倒している夢だった。みくはメガスーツをはがされ、その醜態がインターネットで流され、最後に死刑される。やけに生々しく、シーツが汗にぬれていた。
「怖い・・・・・・」
 千里は未だ目覚めない。一命は取り留めたから後は快復を待つだけだった。もしかしたら千里はそろそろ目覚めるんじゃないだろうか。みくは思った。もし、目覚めたとき独りなら、彼女は発狂してしまうかも知れない。何しろ誘拐されたんだ。しかもレイプまで受けて。ちょっと様子を見てみよう。

 全ては作戦通りだった。メガピンクのいる病室のドアがあく音を聞きつけて、ギレールはほほえんだ。城が崎千里の体は興奮に火照っていた。ついにメガレンジャーの破壊という目的が達成される。メガピンクは傷を負って病院に搬送された。その彼女に悪夢を描かせ、孤独感にさいなませることくらい、空間を歪ませれば簡単だ。
 城が崎千里の肉体を包むシーツが中からの光を外へ放った。

 着替えた後、シーツをかぶり、みくは千里の病室の前まできた。入り口には未だに面会謝絶の札がかかり、自動小銃を抱えたINET隊員が警備していたが、彼らが守っているものが最強の敵である事は、知る由もない。みくは隊員にぺこりと頭を下げ、ドアを開いた。
「千里?」
 暗く静まった室内。ブラインド向こうで木が揺れていた。すぐ手前にベッドがあり、千里の肉体がシーツの中にあった。
 やっぱり起きてない。みくは足音を殺した。千里のすぐ横まできた。顔はシーツの下だった。千里は彼女の顔が見たかった。最近はずっと薄い意識の中で苦悶している。またいつかのような笑顔が見られるかも知れない。そう思って、シーツをめくった。
 千里の体があった。胎児のように丸まっていた。みくは目をぱちくりさせた。千里のすっかり短くなってしまった髪があった。あたしが整えたんだ。そして体は・・・・・・メガスーツをまとってアクリルイエローに光っていた。
「私、怖い」千里の声。「みく?」
「ち、ちさと?」
「私、ギレールにめちゃくちゃにされた。心も、体も、全て。メガイエローになれば、どんな危険に遭遇しても絶対に安全だって信じてた。だけど、私はぼろぼろにされた。耳について離れないの、ギレールの笑い声が」
 千里のか細い声がみくの耳に届いた。ときどき、鼻をすする音がする。
「メガイエローは暴かれたの。だから怖いの。絶対安全なものはないって。でもね、私が私を守る方法はこのメガスーツを着ているしかないの」
 ヒステリックな嗚咽、みくは千里の肩に手をあてようとした。すると、千里が振り向いた。涙に顔を赤らめたひどい顔だった。その顔が近づき、唇が重なった。いきなりのことにわけがわからなくなった。唇はひんやりとしていた。腕がめぐってきて、みくの肩を包んだ。
 フレンチキスの後、千里はみくの首にすがりついた。みくはそれを突き返すことなんてできなかった。むしろ彼女も千里の肩を抱いて、優しく撫でてあげた。
「私、みくのことが欲しいの」
 思いきり千里はみくを引き寄せた。その体はベッドに乗り、千里はみくの体に乗りかかった。千里の涙はもう少しまともになってくるようにみくには見えた。もしかしたらこれで千里の笑顔を取り戻せるかも知れない。そう思って、みくは千里を受け入れる決意をした。
「あああぁぁ・・・・・・」
 唐突とパジャマの内側に千里のグローブが入ってきて、下着の上からみくの胸を揉んできた。声があがる。気持ちいいのかどうかは解らない。強引な千里の動きを、悪く思っていなかった。手の動きは丁寧でどこか慣れていた。もしかして、という思いは苦かったから、追求しなかった。
「んううん・・・・・・ぉぁぁ・・・・・・」
 みくは手をのばした。痺れていた。千里の胸はひどく遠くて、手が触れてよくわからなかったから強く揉んだ。スーツが押し潰れた。
「あぁん!」
 千里の声は本当に気持ちよさそう。快感に酔った顔をした。恐くなった。対象不明の嫉妬心が芽生えてきた。力の限り千里を抱いて抱き寄せると、胸元に顔を埋めた。舌をのばし、スーツの上から乳頭を噛んだ。
「ああぁ。」
 みくは夢中になって噛んだ。
「み、みく・・・・・・?」
 千里は声をあげる。負けずに力んで千里は胸を揉んだ。みくも声をあげた。悦んだ。みくの華奢な腕が千里の躰をきつくきつく抱きしめた。服を通して、千里の突起が知れた。千里の頬は薄い桃に黄色が混ざっていた。
 みくは千里の乳頭を口に含んだ。スーツの上からだったけど興奮して、千里も喘いだ。
「ああああぁぁん!」
 千里はとっくに硬くなった。肌と乳が唾液と混ざって音がした。千里はあたしのもの。みくは思った。もう誰にも渡さない。酔ったように悦んだ。ネジレジアに千里は渡さない。
 理性的で強い女の子の千里は、悦び想って頬を赤らめて、はしたなくしていた。理性的でも強そうでもなかった。みくだけが見られる千里の表情。みくは気分良くしていた。意識が少し遠のいて、しばらくして戻ってきた。視界のレンズが一気に千里の顔に焦点を合わせて、接近して来るみたいだった。
「ううぅん」
 千里はもうイきそうな、声をしている。それくらい大げさな声だった。部屋の外に聞こえないか、ちょっと心配になった。だけどこの部屋は完全防音になっている。でも、問題がないわけじゃない。でも、気にするのはやめた。
 みくの吸い付く音が漏れている。震える手がみくの腰にまわり、尻を舐めては、足首にまで下っていった。みくはそれどころではなかった。千里の乳房から口をはがされた。背筋がえびぞり、痺れが前進をまわり、激しく息をつきはじめた。
「ああ! ああん! ああ……」
 千里の指がみくの小さな肉種をくりくりと翻弄した。下着に手が入れられて、メガピンクのスーツよりも桃色のみくの肉種を、千里は右に左にほじくりまわした。瞬く間に充血し、みくは愛液に濡れた。
「きゃっ!」
 千里の躰を引き剥がして、離れようとした。腕に力が入らなかった。千里の躰はちっとも動かなかった。はじかれるようにみくの躰が、転がった。ベッドから綺麗に降りられず、そのまま落ちて、尻餅をうった。だけど、ちっとも痛くなかった。みくはにたにた微笑んだ。
「どうしたの?」
 千里の声は妙に丸まって、微笑んでいた。ベッドの上から見下ろしてきて、みくの反応を楽しんでいるようだった。みくはぷぅと相手を睨んだ。脱力して、どうにもならなかった。ベッドの縁に手をかけ、よろよろ立ち上がった。
 メガイエローの頭を掴んだ。そこは汗で濡れ始めていた。顔をシーツになすりつけさせて、無理やり俯せにした。アクリル色の背中をみくは這っていって、スカートをめくった。
 千里の尻肉は小ぶりの割に豊満だった。みくは、尻の窪みから下を這わせた。シーツからんんんんと、千里の喚く声がした。後ろの穴を通り抜けて、肉の間に到達すると、二、三度そこのあたりで舌の感触を確かめて、中に入れた。もちろんスーツだった。メガスーツに唾液が垂れて、光沢を放った。股は大開きになっていた。
「んんんんんんんぁああああ!」
 みくは自分の股で千里の首を掴んだ。千里の方がちょっとだけ大きいから、この体勢はきつかったけれど、みくはなんとかしてみた。シーツから頭を上げさせると、千里はわめいた。息をして、もう一度スーツを舐めた。ゴムみたいな味がした。間欠的にあふれ出てくるらしい愛液の暖かさを、みくは感じた。淫猥な音がして、メガスーツがぼこぼこになる。
 みくは吸って舐めて擦った。千里は躰を丸くした。メガイエローを圧倒できるのはネジレ獣でも、男でもない、みくは心中叫んだ。
 千里は白目を剥きそうになっていたが、それはもちろん演技だった。メガピンクがこんなにも攻撃的なことを知らなかった。ギレールは優位に持っていけると確信していた。圧倒させられつつあることにギレールは困惑した。
「んんんんんああああ!」
 飲み込めないほどの愛液がみくの股を滲み出てきて、千里の首に流れ出てきた。何度も胸を上下させるほどの息をついて、みくは興奮していた。ギレールはみくの体液が気持ち悪くなって、眉間に皺を寄せた。
 
「ああああああぁぁん!」
 馬鹿め。人間というものはなぜこうも感情に流されるのか。全てを冷徹に冷静に考えればわかりそうなものだ。わからないのか? だから馬鹿なのだ。
 千里の体がみくを愛撫した。ギレールはサディスティックに笑った。メガピンクの娘は気持ちよさそうにしている。エネルギーの全てが我がギレールの手に吸収されているという事にも気づかないというのか? 今村みくに潜む欲望の正体なのか? ギレールは人間がより一層理解できなくなった。
 いつのまにか、千里の手元から放たれた触手がみくの体にからみついていた。しかしみくはそれにも気づかず喘いでいた。今村みくの心も体もバラバラにした。警備に気づかれないようギレールは、千里の意識が眠る空間へテレポートした。それでも奴は気づかない!
「んんんん・・・・・・」
 みくの声はどんどん弱まっていく。触手はほとんどのエネルギーを吸収したはずだ。まもなく魂も抜ける。そうしたら、ギレールを半分わける。自らのギレールの肉体はそろそろ手狭のはずだから、奴らの魂はどうするか・・・・・・人形にでも納めればいい。


 
 
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